備忘録「保留地を目的とする抵当権の設定」
先日、お客様から保留地を目的とする抵当権の設定についてご質問頂きましたので、今後のためここにまとめます。結論から申し上げますと、保留地を目的とする抵当権の設定はできません。
まず初めに、区画整理事業について説明します。道路、田んぼ、畑などが複雑に入り組んでいるような土地を整理し、土地の形をきれいに整え、整然と土地を配置し、新たな市街地を作る事業を区画整理事業といいます。
前述した区画整理の際、土地をきれいな形にするために少し削る場合があり、これを減歩といいます。減歩された小さな土地を一つに集め、新たに大きな土地として売却する土地を保留地といいます。保留地を売却した代金が、区画整理事業の資金の一部となります。
保留地は、区画整理事業が完了した段階で登記簿が作成されます。そのため、土地の使用については問題ありませんが、登記簿がないため、登記はできないことになります。土地の所有権の移転の登記、抵当権の設定も登記できません。
区画整理事業のすべての工事が完了し、施行者の名義で所有権保存登記がされた後、施行者から保留地の買主に所有権移転登記、抵当権設定登記を入れることになります。